紅型の作成工程をご紹介します。 型を使わない筒描き染という技法もありますが、ここでは型染めの工程を紹介します。
型彫り
型は大きく分けて2種類あり、白地型(柄の部分を残す)と染地型(模様の輪郭を彫る型)があります。 柄をデザインし、シーグ(ナイフ)で突き彫りで型を掘っていきます。 型彫りには、ルクジューと呼ばれる豆腐を乾燥したものが使われます。
紗張り
型彫りした型紙に紗(網目状の布)を漆塗料を塗って貼り付けます。 こうすることで、型が補強され型紙の完成となります。 型の作成は大変な作業ですが、紗張りをすることでボロボロになるまで何度ででも使えます。
型置き
布の上に型を置き、ヘラを使って防染糊を敷いていきます。 糊で伏せた部分は染まらないので、防染糊のついていない部分が色のつく部分になります。 型置き後、豆引き(大豆の汁を引く)することで、顔料を定着させ、にじみにくくなります。
色差し
豆汁で溶いた顔料で、糊のついていないところを一色一色筆で染め分けていきます。豆汁は日持ちしないので、その日作った色は2~3日しかもちません。筆は2本持ち、1本で色を挿してもう1本ですりこんでいきます。この力加減によっても色味が随分変わってきます。
隈取り
隈取りは紅型染の大きな特徴的技法です。 色差しよりも濃い顔料を筆で落とし、刷毛でこすってぼかしをいれていきます。 隈取りすることで、柄がくっきり浮き立ち、立体感がでてきます。
糊を落とす
顔料はバインダーという液体と混合しており、熱により布に固着します。 染めた生地を熱処理した後、ぬるま湯に浸し防染糊をおとします。
地染め
地を染めたい場合、柄を防染糊で伏せ、刷毛で染料を塗り地染めしていきます。
水元
地染めされたものは、特に地の色が濃色の場合、水元のときに色が流れ出て糊伏せした部分を汚してしまわないよう、たっぷりの水量で十分注意しながら水元しなければなりません。乾燥させて完了となります。